限界を超えてはいけない
というか、超えられないし越えようとするもんではないんじゃないかと思います。
まず、限界を越えようよ〜!、
みたいな体育会系思考には、私はほとほとついていけなくなってきた。
じゃあそれ超えちゃったらどうすんの...
そもそも、超えられた時点で果たして限界だったのか。
私は悪い意味で自分で限界を決めたことがない。
相対的であるはずなのに、いや、相対的だからこそ人に与えられた限界、あるいは人に自分の限界を委ねてきた。
もう限界という言葉があんまり好きじゃないから、もう意識したくない。
しかしながら単語が存在している時点で意識せざるを得ないし、
その「限界を超えられなかった自分」を責めてしまう材料にしかなっていない。
変なとこ意識が高い環境で生きてきたので、
限界を超えたらまた新しい限界(リミット)をセットして、また超えてというのの繰り返しが求められて来た。
辛〜
リミットとゴールがごちゃ混ぜになってるのかな?
達成するという面では同じだけど、ゴールって必ずしも限界を試すものではないですよね。
かといって限界の範囲内でほどほどにやるのは体質的にもう無理〜!
意識しないことが本当に限界を越えることに繋がっている気もするけど、
もうここで言葉に書き表すことでそういった思考の枠組みから逃れたいね。
と、最近考えるきっかけになったのが以下の本などです。
THE BOOK OF CIRCLES - 円環大全:知の輪郭を体系化するインフォグラフィックス
- 作者: マニュエル・リマ,三中信宏(監訳),手嶋由美子
- 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
- 発売日: 2018/02/23
- メディア: 単行本
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これ、あまりにも 青山ブックセンター本店 (@Aoyama_book) | Twitter にて宣伝されていたので関連書籍を読みました。
洋書だから英語版あるかな、と思ったけど近くになかったので、前著をとりあえず。
- 作者: マニュエル・リマ,Manuel Lima,久保田晃弘,奥いずみ
- 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
- 発売日: 2012/02/24
- メディア: 単行本
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できもしないしやる予定もないけど、インフォグラフィックスとかマッピングという横文字に弱い。
THE BOOK OF TREES―系統樹大全:知の世界を可視化するインフォグラフィックス
- 作者: マニュエル・リマ(Manuel Lima),三中信宏
- 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
- 発売日: 2015/03/10
- メディア: ペーパーバック
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木バージョンもあった。
ちなみに本を読まなくてもウェブサイトで図たちだけなら見れます。↓
一冊しか読んでないのでなんとも言えませんが、端的にいうと私はゾッとしました。
あらゆる技術を駆使したはずのグラフが、全部の人体の一部に見えてきてしまうんですよね。
ふとタイトルを見直すと丸(circle)や木など、とても基本的なものがモチーフになっていて、それもそのはず、と思ったり。
正直に申し上げますと、以下ツイートに影響されている部分が大きいです。
視覚と脳と言えば、ミケランジェロが描いたシスティーナ礼拝堂の「アダムの創造」が実は脳と視神経を模してたというのが好き。描かれてから500年間気付かれなかったというのも良い。https://t.co/HnooI064lp pic.twitter.com/xqyYUGdPMm
— Go Ando / THE GUILD (@goando) 2018年4月7日
ほええ、と思いつつ同時期に借りたフンデルトヴァッサーの本をめくって見ると、
Hundertwasser 1928-2000: Personality, Life, Work
- 作者: Wieland Schmied
- 出版社/メーカー: Taschen America Llc
- 発売日: 2014/08/20
- メディア: ハードカバー
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(表紙がわかりやすい関連書籍(まだ読んでいません))
Hundertwasser: The Painter-king With the Five Skins (Taschen Basic Art Series)
- 作者: Pierre Restany
- 出版社/メーカー: Taschen America Llc
- 発売日: 2000/09/15
- メディア: ペーパーバック
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まじで自然リスペクトという感じ。
ガウディに似ているな、と思っていたらちゃんと影響を受けているとの言及がありました。
井上雄彦とのコラボ展、もちろん行きましたよ〜
Casa BRUTUS特別編集 ガウディと井上雄彦 (マガジンハウスムック CASA BRUTUS)
- 作者: マガジンハウス
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2015/03/10
- メディア: ムック
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バガボンドももはや漫画を超えているという点で、テーマは似ているかも。
ミケランジェロと関連してダ・ヴィンチなんかもいうまでもなく今では捕まるレベルで人体を追求した人ですから、仲間に入れましょう。
...こう、新旧問わず巨匠の画家たちを眺めていると、
もうそのすごさに圧倒されるというか、突き詰めるとここまでいっちゃうんだろうな、
っていうのがなんとなくわかるけど私は一生届くことがないんだろうな...
みたいな完膚なきまでの虚無感にもはや感動しますよね〜
冒頭に繋げようとすると、
巨匠のヤバさはさておき、人間には超えられない部分というよりも
超えたところで戻ってくる場所が普遍的にあるんじゃないかな、と思っています。
そこは悲観的にも楽観的に捉えることもできるので、場所に応じて使い分けられたらいいんじゃないかな。
例えば私は一人の人間が本を読む以上、
真の乱読というものは存在しないと思っているんですけど
それは自分の限界を見つけた、いうよりも
セレンディピティ力(?)が上がってるのかな、と捉えてもいいかもしれないですよね。
私なんかはまだまだこじつけに留まっていますけど。
オランダにも春が来て、天気が良かったり日が長いとつい色々やろっかな!!!
とあちこち手を出してしまう自分がいますが、
それも結局自分の範囲内で起こっていることで、
だからといって無理してはいけないな〜と自戒を込めて。
ちなみに、フンデルトヴァッサーは美術館に行った時に美術史専攻の友達に教えてもらったのがきっかけで知ることができました。
オーストリア出身だそうで、クリムトと同じで日本にもインスパイアされているみたい。
美術館↓
Co=Copenhagen br=brussels a=amsterdamだって。おしゃれか!
小さいけれど、アヴァンギャルドとは何かを肌で感じることができます。
アヴァンギャルドも突き詰めた結果、捻り出している感じがして好きだ!
第三次世界大戦中なのかギリギリ踏みとどまってるのか知らないけど、こういう運動がこの時代にも欲しいよね。
最後までありがとうございます。
それではまた。
Sh*t worthyなことしようぜ
(to) give a shit という言葉はみなさん知っていますね。
"Don't give a shit!"という文のほうがよく聞くかな。
こちらは日本語に訳すと「んなつまんねぇこといちいち気にすんな!」に近い意味だと私は考えております。
shitはfuckに代替可能。
"I don't give a single fuck"というアレンジ版なんかも「微塵も気にしない、屁でもない」という、確固たる意志が垣間見えて私は大好き!
ass holeという言葉もよく聞きます。
これはもう直訳しちゃうとケツの穴ですが、カスとかクズ野郎と言ったところでしょうか。
何が言いたいかというと、私たちの人生はクソまみれということです。
もう少し綺麗な言葉で言い直すと、どんな人であっても様々な障害や不幸、不運が降りかかってくるということ。
そこで今日紹介したいのがこの本!イエーイ
本屋で見ない日がありません。
The Subtle Art of Not Giving a F*ck: A Counterintuitive Approach to Living a Good Life
- 作者: Mark Manson
- 出版社/メーカー: HarperOne
- 発売日: 2016/09/13
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タイトルが直球すぎますけど、日本語に訳すのは少し難しそう。
日本にはどうだろう。来るかなぁ...
先ほどの続き兼この本の要約ですが、人生はどう転んだってassholeとかshitはついて回るので、何事にもgive a single fuckしない、というのはブッダにでもならない限り無理なんです。
というか、それに気がついたのがブッダ。
彼は高貴な家の出身ですがそれに疑問を持ち家を飛び出しますが、結局どんな階級だろうとみんな悩みあるやん、と気がつくわけですね。(Chapter 2 ; "Happiness is a problem "参照)
そこで終わらずに心頭滅却しちゃうブッダなのですが、まあ、普通は無理ですね。
(私はブッダになれないのでここでgiving shitするのをやめます)
なれなくても手塚治虫大先生のブッダは教科書として一家に一台。
はい。
じゃあどうするの、ということで、解決策として悟りを開く以外は、なんだかんだshitとうまくやっていくしかない。
shitもバラエティに富んでいるので、自分にとってより価値がある(と思われる)shitを選び、こなしていく。
ここで筆者は"shit-worthy"という独自の造語を用いていますが、非常に素晴らしい言葉だと思います。
何がshit-worthyかは、人それぞれです。
大変な仕事でもお金がたくさんもらえたらそれをshit-worthyとする人はいるだろうし、
色々あるけどなんだかんだ支え合う家族を最もshit-worthyなものと捉える人もいる。
生きていくために身の回りの環境をできるだけ自分にとって生きやすい場所に整えることをshit-worthy、まあ私多分これなんですけど、もいますね。
(私は好きなことしかやっていない/夢を追いかけているというイメージを持たれがちですが、思われるのは面白いのでいいけど、おそらくそうではないです。私は多分、人よりも少し自分がやりやすいshitを選ぶのがうまかっただけだと思う。あと運!)
これは一見すると非常に消極的な考え方で、shitだなんだと使用している言葉が汚いという理由以前にこんなことを面と向かって言う人はあまりいません。
もちろん今の仕事や専門に対し「これが自分のやりたいことです!!!」と胸を張っている人にはこんな考え方はいらないでしょう。
しかしそうではない人がほとんどで、だからこんな汚いタイトル()の本が世界的ベストセラーになっちまってるわけです。
本当はshit-worthyだから続けているだけでもいいじゃないか。
むしろそっちの方がすごくないか。
それをせめて自分の中では無理して美化しないであげていただきたい。
ていうか、そういったあまりにも仕事や人生を理想化する価値観を押し付けて来る人にこそgiving shitすんなよ、とこの本は教えてくれます。
人生はインスタグラムの裏側で起こってんだよ!
・ちょっと近況報告(関連本の紹介はさらに下にあります)
今年は、というか去年から私は選択の連続でした。
まあ主に進路なんですが。
なんか今オランダにいるけど、今でもここに来たことが正しいかどうか現時点では自信を持っていうことができません。
大学院(マスター)に申し込んだはずなのにプレマスターやんなさいとか言われたけど情報少なすぎてわけわからんし!
宿題多すぎるし!
オランダ人英語うますぎるし!
でも、私は少なくとも今の大学生活は自分にとってとーーーってもshit-worthyだと思っています。
多少辛いことがあってもやってみる価値があると思えます。
まあ高等遊民が何言ってんだって感じだけどね〜
・関連本
私はこのshit-worthyという考え方は私のだーいすきな認知不協和理論にもちょっと結びついてると思います。
辛いことも、いや辛いことだからこそ美しい記憶に変換されていく、という嬉しいような怖いような、賢いのかアホなのかわからなくなる脳の仕組みですね。
興味のある方は以前も紹介しましたが、是非こちらの本を。
全然伝わらないと思いますが、私はこういった、難しい内容を、決して難しくない話し言葉で文体・言葉遣い・構成・内容が完璧な講義集みたいな本(内田樹先生のとかも)を読んでいると脳内で吸収できる許容量を突破し、「ウーム」となります。
社会心理学講義:〈閉ざされた社会〉と〈開かれた社会〉 (筑摩選書)
- 作者: 小坂井敏晶
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2013/07/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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あと、脳がバカというのとshitと関連してこの本も是非!
サナダムシをお腹で飼うまでしなくていいけど、腸の声をよく聞くといいことあるかもね。
あとお子さんがいる方は言うまでもないですがこれを。
最後にこの本に出会ったきっかけを。
私の好きな本屋さん通り(勝手に命名)の中でもお気に入りの、Mayflower Bookstoreで見つけました。
古本と新刊が混ざった不思議な空間です。
お店の由来は多分、メイフラワー号(ピルグリム・ファーザーズたちが乗ってた船)がイギリスを出てアメリカに来る途中にこの小さな町ライデンに寄ったからだと思われます。
タイトルを見ていいなぁ!と思ったのと、一年半ほど前に
この記事に出会いまして、記憶から消えてたけど記事の内容がThe Subtle Art of Not Giving a F**kと似ていたので「あの記事で紹介されていた本か」と思って読んでたら結局違ったという。
まあいいか。
記事で紹介されている本はこちらです。これもタイトルのインパクトすごいな
The Asshole Survival Guide: How to Deal with People Who Treat You Like Dirt
- 作者: Robert I Sutton
- 出版社/メーカー: Penguin
- 発売日: 2017/09/07
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でも本当にここ最近タイトルのインパクトの強さで記憶に残りやすいのかもしれないけど、asshole関連の本、よく見ます。
Assholes: A Theory (English Edition)
- 作者: Aaron James
- 出版社/メーカー: Nicholas Brealey Publishing
- 発売日: 2012/11/01
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セオリーまである。
みんないろんなassholeに疲れてるんだね。
疲れない程度に本でも読んで、楽な考え方をしていきましょう。それではまた!
去年は猫年、そして今年も
今回は2017年の間、私の生活の癒しとなった様々な媒体の猫をご紹介します。
私はにわか猫好きというか、
トルコに行ってから猫を好きになった新参者ですので、
お手柔らかにお願いします。
①KEDI(映画)(邦題;「猫が教えてくれたこと」)
私としては涙なしには見られない、とても素敵な映画でした...(トルコ帰りたい)
日本での劇場公開を待てずに即YouTube Redで購入しました。
便利な世の中でございます。
しかし気に入らないのが日本のタイトルで、みなまで言うな、という気持ちでいっぱいです。
これに限らず日本における邦題の付け方は度々イラっとさせられることが多いですね。
この映画の主なテーマは、
トルコでは猫はペットと野良猫の中間の存在である、ということです。
猫が敷居を跨げば入れるし、窓は開けっ放しでいつでもまた出られるようにしている、という家やお店が少なくなりません。
(私が住んでいた学生寮も各棟に猫がおり、いろんな人が餌をあげたりしていました。)
来るもの拒まず、去る者追わず。
猫が自由気ままに闊歩しているのは、
トルコという国が伝統的に外から入って来る人や物に対し、そういった姿勢を貫いてきたからかもしれません。
映画の中に出てくる人たちは少し行き過ぎた例かもしれませんが笑、
トルコでは猫を嫌いな人を見たことがありません。
というか行けば共感していただけると思うのですが、
トルコの猫ってかわいいし気高いし美しいし人懐っこいので、
なんかもう、ありがとう...!ってなります。
②「めでる国芳ブック ねこ」
もう、タイトルの圧勝ですね。
めでたい、愛でたい!
私は浮世絵とか日本画とか全然詳しくないしそこまで興味はなかったのですが、
こういった切り口で紹介していただけると読みたくなる〜
さすが日本というか国芳というか、
江戸時代は、そこまで現在の日本の「なんでもキャラクター文化」「擬人化」が確立していなかったはずであるにも関わらず、
江戸の町民に負けないくらい、生き生きとした猫たちが描かれています。
猫で文字を書いているなどなかなか攻めています。
英語の解説付きなので、ぜひいろんな人にオススメしてください。
ちなみにシリーズで猫以外もあります。
大学の生協ブックセンターにて
③ 「ファット・キャット・アート ―デブ猫、名画を語る」
これも本当に眺めているだけで幸せというか、
あまりの違和感の無さに圧巻というか...
日本語訳のセンスも光っています。
他の言語をよく知らないけど、日本の猫語として「〜にゃ」の語尾って素晴らしい。
作者はロシアの方なのでロシア語でもそれに匹敵する猫語みたいなのがあるのかな...と想いを馳せてみたり。
トルコに負けずロシアも猫大国みたいですね〜
エルミタージュ行ってみたい。
国立西洋美術館内の本屋さんにて発見
一筆書きの猫のシルエットとか素敵でした。
④「名画のネコはなんでも知っている」
教授と生徒の対話形式で、ひたすら猫のいる名画を愛でる。
ところがこの二人は好みがうるさくて、あんまり猫を描くのがうまくなかった時代(?)の絵とかを貶しまくったりもするのが面白い。
さすがに中世の猫並みに不細工な猫⬇︎を取り上げてはいませんでしたが笑
冒頭で取り上げていた猫に関する「文学部唯野教授」の引用も素敵ですが、そのお話は哲学の領域に入ってしまうのでまた今度。
⑤ Simon's Cat
言わずと知れた大人気キャラ。
猫>>>>>>>>>>>>>>>>>>>人間の構図を、これでもかと思うほどにユーモラスに描き切る。
フェイスブック・インスタの更新頻度も高くめちゃくちゃ癒される。
シンプルな線ながら動きが滑らか。
一つ気になるのが猫の鳴き声で、
限りなく本物に近いけど多分おっさんがやってるんだよね...?