キヨカのブログ

半永久的夏期休暇自由研究

下校時刻のヴィレヴァンゾンビ

 

はじめに

私としたことが、とんでもない失態を犯しており、読書ブログを自称しておきながら今までヴィレッジ・ヴァンガードに一言も触れていなかったというのは本当に失態。
 
大失態!!!
 
サブカルコミケツイッターも知らなかった頃から、いつだって傍にいたじゃないか、オレたちの大親友が....
 
本来ワタクシはヴィレヴァンの方向に足を向けて寝てはいけない人間。
 
だいぶまえの記事で「好きな本屋紹介❤︎」(書店定点観測:東京⇆アムステルダム)とか抜かしていたときは神楽坂だの青山だの、シャレオツな地名をはためかせてしまいましたが、私を取り巻く現在の活字文化はヴィレッジヴァンガードで立ち読みした本の続きをブックオフで買っていた学生時代、それなくしては語ってはいけないのです。自分で書いておきながら行動がひどいな....
 
でも私はあくまで同志を代弁しているだけですからね...ですよね....
 
「見た目100、実用性0の雑貨コレクション」と「ヴィレヴァンキャラ認定後、そこでしか私の誕生日プレゼントを買わない友達からもらう雑貨」で埋め尽くされた汚い自分の部屋もね....バックパックもいくつ買ったことか!
 
常駐していたのは下北沢店と高田馬場店で、特に前者に関してはお酒を飲めるようになってからは、飲み屋ハシゴコースの終着地点になっていました。
 
酔っ払った状態で見るとまた非常に新しい発見がありましてね。
 
後者はな...大学在学中にいつの間にか閉店してしまって、しかしヴィレヴァン特有の「入り口も内部も奥まった構造」+自らの方向音痴が作用して、閉店を知らずにいたうちは駅前あたりでヴィレヴァンゾンビと化していました。ウゥ...
 
新宿にもいくつかあるんですけど、ルミネだのマルイだの、ファッションビルの一角にある店舗は好かんのですよ。
ヴィレヴァンヴィレヴァンを出しきれてない気がするし(何様?)、「ついで」という感覚で行きたくない。
 
街のステータスシンボルというか、やっぱりここにはヴィレヴァンあるよね、というものであってほしい。
 
はい。
 
こんなブログをやっていて、周囲から"取り込む文字量も発する文字量も多い人間"として認識されつつあるので、まあ「おすすめの本を教えてください」とか、「これは何という本/作家さんですか」とSNSでさらりとページなどを共有したときに聞かれることがありまして、
でも、もうッ!そんなこと聞いてくるやつはこれから全員、ヴィレヴァン送りだよッ!スターリンのシベリア送り的なノリ↓)

f:id:heavyd:20190929091317p:plain

https://twitter.com/russianbomba/status/996500552346353674?s=20
違うんです、違うんですよ、もうぜひ足を運んでいただいて、あの埃臭さと極彩色と天井から何かしらぶら下がってる店内で、自分だけにしか見つからない何かを見つけてほしいんです。
 
あそこで見つけるから意味があるんです。
 
大学生とかで自分探しとかしている人もヴィレヴァン通ったらいいと思う。
 
いや、ヴィレヴァン行ってからの、『奇界遺産』とか雑誌TRANSITとかを手にとって、本当は引きこもり属性のくせに、とち狂って大学で探検部とか入っちゃったりするんだ....(私のことです)ヒェ〜
 
そう、青春の涙と鼻水と汗と赤っ恥はぜ〜〜〜んぶ、あそこにあります。
 
あの赤と黄色の手書きポップを追いかけてなかったら、私は今ここにいないわけ。
 
だから「将来、クレージージャーニーに出てそうだよね!あの上半身裸でアフリカの原住民と虫食べて写真撮ってる人」とか言われるわけですね。
 
真か偽かどうかはさておき、全方向に失礼ですね!
 
「こんなところに日本人!?」みたいなのももう良いんじゃないですか。
 
個人的には、日本で真っ当な生活を営んでおられる日本国民の方々の方が賞賛や注目に値すると思っています。
 
すごい、芋づる方式に本当は書きたくなかったのに書かないといつかボロが出る内容がボロッボロ出てくる。
 
まあまえがきはこの辺にして、今回いろんな意味であんまり教えたくないけど、好きなヴィレヴァン系漫画を紹介しつつ、きっかけや当時の状況を俯瞰し、今の自分に持ってこれればなと思います。
 
もうこれはヴィレヴァンへのodeというか、いや、でも結局いつもの好きなもの同士掛け合わせ盛り合わせ・ザ・自己満足ですね。
 
順番としては逆で、今大ハマりしているのが完結した『ドロヘドロ』っていう漫画なんですけど、なんでこういうのが昔っから好きなのかな〜って考えてみて、今読んでいる漫画←関連漫画(読み始める背景)←見つけた場所、と考えるとやっぱりヴィレヴァンなんですね。
 
別に現実にヴィレヴァンで見つけてなくても、本来は置いていなくても、ヴィレッジ・ヴァンガード 私の脳内支店 に置いてあるっていうか...
 
みなさんの脳内にも絶対支店はあるので、そうやって集まったみんなのヴィレヴァン要素の最大公約数ヴィレヴァンという概念であり、それはもう現実に物理的な店舗があろうがなかろうが関係ないんです。
 
そういうことです。
 
ブランディングのこととか何一つ知らないけど、でもいわゆるブランドやコンセプトショップ、セレクトショップを作るってそういうことなんじゃないかと思っています。
 
「ここといったらあれだよね」から始まり「でもここならあれも置きそう」という期待に変わるというか。
 
何かを目にしたときに「〇〇っぽい」って思い浮かばせるのはなんかすごい力ですよね(ボキャ貧)。
 
私も自分に起こったそういった断片的な出来事をまとめて一望したくなり、うってつけのケーススタディヴィレヴァンだったというわけ。
 
というわけで以下はヴィレヴァンと私の個人関係史・系譜学でございます。
 

 小学校

インターネットで出会うことがない時代、誰かの影響なしには本さえも見つからないので、当時読んでいた作品には誰々とのエピソードが多い。

電子書籍も好きですけど、あの漫画を貸して読みあったり、誰かの部屋に置いてある感じは神なんだよなぁ〜

マンイーター高橋葉介

f:id:heavyd:20190929091559p:plain

http://www.bunkasha.co.jp/book/b165742.html

最初っから飛ばすなぁ〜

マンをイートしていますよ、表紙が。

でもこれはっきり覚えていて、二回店頭で読んで、二回目に友達連れてきて立ち読み禁止用のビニールをこっそり剥がして見せたことまで覚えてる。

内容の印象が強烈すぎて、本をジャケ買いする私が表紙に関連する情報(作者名・作品名も含む)を一切覚えておらず、最近になって思い出して、インターネットで探すのに苦労しました。

流石に小学生でこれを家に置いておくわけにもいかないというのが子ども心でも理解できたので買うに買えず、一回目の立ち読み(ビニールカバーがなぜか最初はかけられてなかった)で二時間ほどで内容を丸暗記しました。

いや、でももし自分が親だったら、これが家に置いてあるより丸暗記している方が怖いな...

誤解を招かぬよう言及しておきますと、同時並行で『ちゃお』『なかよし』も追いかけていたし、ナルトもワンピースもリアルタイムで見ていましたし、友達も一応いました

『ハトの嫁さん』ハグキ 

f:id:heavyd:20191007001151p:plain

http://kc.kodansha.co.jp/title?code=1000002359

これは兄の影響です。

家のトイレに置いてありました。

Happy Tree Friendsみたいな、理不尽でファンシーなグロにハマらない中学生がいないはずもなく、私もそのうちの一人でした。

エドワード・ゴーリーの絵本とか、自殺うさぎとか、ねこぢるとか、そういうことなんでしょうね。 

子どもに読ませたい本ではなく、読むなって言われてるのに、いや言われるから子どもが読む本。

ブックデザインとしては表紙が透かし巣材でなんかシャレオツなのもムカつく笑

蟲師漆原友紀

f:id:heavyd:20191007001409p:plain

http://kc.kodansha.co.jp/product?item=0000030168

これも兄の影響で「キヨカはこういうの好きそうだから」って貸してくれた思い出。

もののけ姫とかナウシカ濃縮還元したらこういうことになる気がするし、そう簡単にすべきではないというかね。

怖いからね。

今は文化人類学的視点で読むのかな...作品のobserverではなく、participantになれるのは子どもの強みですね。

読んでいてあまり食欲は湧かないですけど、山系なので一応言及しておくと、私はヌルヌルしてるじゅん菜と山菜とかも大好きで、「わっかんね〜!うま!」と言いながらよく食べます。 

 

ムヒョとロージーの魔法律相談事務所西義之

f:id:heavyd:20191007001629p:plain

https://shonenjumpplus.com/episode/10833519556325021923

通称ムヒョロジですね!

これはヴィレヴァンで見つけたわけではなく、脳内店舗の方ですね。

\\\在庫入荷しました〜///

公民館のジャンプ本誌で読んでいた記憶があります。

記憶の中にある紙が白黒じゃなくてジャンプの色紙カラーなのと、あの紙の独特の匂いがセットになっているので。

魔法で封じる系でいえば結界師やブリーチよりも私は断然ムヒョロジなんだよな〜

絵のタッチがあくまで漫画っぽいというのと(デフォルメ等)、敵の各オバケのキャラ立ちが群を抜いていた。

めちゃくちゃ記憶に残っているのが最初普通だった女の子が巨大オバケ化して泣きながら成仏する回みたいな...

今アニメ二期とかやっているみたいで、でも漫画の連載は10年前に終わっていて、なんだかわけがわからない!

 

中学校 

物心がついて背伸びがしたい動機が垣間見えますね。

私は特定の信仰を持ちませんが、漫画の神様は信仰しているというのはご存知の通りで、あと初恋の人はブラック・ジャック、というのもよろしくお願い申し上げております。
いや〜〜〜〜〜これも思い入れがありますね。
確か当時好きだった俳優が千秋先輩、もとい、玉木宏で、MWの実写映画化をやるというので逆算して漫画があるのを知ったというか。
どっちだったかは忘れました!
我が家では手塚治虫の作品はギリシャ神話みたいな扱いで(『鉄腕アトム』などの大御所の印象のおかげで)、というのも「多少エログロでも読んでおk」という意味においてです。
いや、でもMWは黒手塚の中でも漆黒手塚というか、登場人物全員の目がトんじゃってるし、発売当時なぜ日本で出版が許されたのか不思議なくらい同性愛の描写だし、もはやギリシャ神話とかじゃなくオブリー・ビアズリーへのオマージュとかあるし、ベトナム戦争だしで盛りだくさんで、どこまで当時情報を処理できていたのか謎。
でもあのスピード感で主人公が目的のために躊躇なく殺人を繰り返すのは、やっぱりなんども読み返してしまった。  

『ライアー・ゲーム』甲斐谷忍 

f:id:heavyd:20191007001954p:plain

https://www.s-manga.net/items/contents.html?isbn=4-08-876855-8
お金と生死を掛けたゲーム系では大御所『カイジ』ではなく個人的にはこっち。
ロシア人のいい感じに狂った中学のクラスメイトに教えてもらったのですが、多分二人とも内容全然わかってなかった。
けど「この難しい漫画を読んでるアタシたち」みたいな見栄もなく、読んでいてわけがわからなくて楽しかったし、そのわけのわからない楽しさを共有していたんでしょうね。
登場人物の目が常に悲壮に満ちているところが好き。

バガボンド井上雄彦

f:id:heavyd:20191007002304p:plain

http://kc.kodansha.co.jp/product?item=0000007491

これも兄の影響。 

床屋はスラムダンク鰻屋はゴルゴ13と本棚の相場が決まっていて、どっちも毎回一巻から読んでいて永久に進まないんですよね、

お店行った時しか読めないし、そう頻繁に行くところでもないので毎回内容忘れてるっていうか。

小学生にとって「完結している漫画の巻数」ってこち亀ほどではなくても天文学的数字に見えるもので、ズラリと並んでいるだけで「ちゃんと読まなきゃ」となってしまうし、でもそんなことは色々制約があって不可能。

バガボンドは割とリアルタイムで追いかけられて嬉しかった。

修学旅行の京都で寺社仏閣を素通りして抹茶アイス食べながら武蔵と小次郎ゆかりの場所で騒いでいました。 

『砂時計』芦原妃名子

f:id:heavyd:20191007002433p:plain

https://csbs.shogakukan.co.jp/book?book_group_id=90

これ、けっこう少女漫画界の異端児だと思っているの、私だけじゃないはず〜!

引っかかるところが今でもたくさんある。

私が今もしヴィレヴァンの店員だったら、敢えてジビエ系漫画として『ゴールデンカムイ』の隣に置いちゃって、お客さんが戸惑う様子を楽しむかな...

そういうことがヴィレヴァンだとできるのかな。

こちらは舞台は現代の島根ですけど、狩りや食事もしっかり描かれているし。

それよりもこの漫画を異端児たらしめるのは、今言葉で表現するのならば、「描かない方が物語進行としてはスムーズに行くシーン」を台詞なしで見開きで描くことで解釈の幅を広げるというか、心理描写の足し引きが絶妙だったところかな....

ミレイの「オフィーリア」みたいな、嘘なのかほんとなのかわかりにくいシーンとかがあった気がする。

 

高校

学校帰りの立ち読みコースですね。
この頃から短編が好きだったのがわかるというか、それも立ち読みの時間的都合などの環境的要因もあったのかなって色々考えを巡らせてしまいます。  

この頃のモヨコ先生の絵のトゲトゲしさが好きで、表紙のピンクと銀のギラギラ感も好きで、ブックオフのちょっとイレギュラーなサイズの一巻完結型女性向けコミックコーナーの『ヘルタースケルター』の隣にあって、私はこっちを手に取った。
先生の娼館モノとしてフランスが舞台の『鼻下長紳士回顧録』が最近完結してそれはそれで好きなのですが、やっぱり土瓶で小指ぶっ飛ばして誓いを立てちゃうのは日本のおなごというか花魁というか、生き様を描き方としては私は断然『さくらん』です。
タイトルもタイトルで「錯乱」とか「咲く乱(咲き乱れる?)」、「桜+乱(これも咲き乱れ系)」とか、平仮名だからこその漢字の想像が楽しい。
時代考証と現代のカルチャーの妥協点(当時は細目が魅力的とされていたはずなのにマツエクバッチリの売れっ妓たちなど)をわかっていたからこその、中学生でも一瞬で入り込める世界観には拍手しかない。

『ケーキを買いに』河内遥  

f:id:heavyd:20191007003232p:plain

http://www.ohtabooks.com/publish/2009/05/14093024.html
この方はヴィレヴァン女子の星というか、ヴィレヴァンで育ちヴィレヴァンデビューしたと勝手に推測しております。
登場人物の三白眼がとってもセクシーで、ベリーショートと組み合わさるとそそるな〜!
余白の美というか、顔面の計算が色々狂ってきちゃう汗
「こんなことは平均的なエロ漫画に書いてあることよりも起こる確率は低い」と確信のもと未知なのに安全なファンタジーとして楽しめる。
というよりショック療法で慣らしていく感じかな...
食と性は以前少し触れましたが危ういテーマであり、どちらかを等しくバランスよく描くというのは不可能に等しいはずなのに、どちらもお腹いっぱいになります。
最近連載している『涙雨のセレナーデ』はこう言っちゃなんですが完全に朝ドラ狙い健全な女子高生モノで、同じ作者が同じ青春を描いているとは思えなくてたまげました。
漫画における絵の上手さってそれこそ漫画家の数だけあると思うのですが、人間の体の質感を描かせたらふみふみこ先生の右に出るものはいなんじゃないか。
特にこの作品集は特に水墨画ですか!?っていうくらいシンプルな線というかもはやブラシで描かれているのですが、それがいいんだよな〜
フィクションとして留まっていてほしいから3D化できない、でも3Dに近い、触れたくなる2Dの質感というか...
とくに指先の描きかた、特に好きです!!!!! 
「北欧の至宝」としてメディアで引っ張りだこのマッツ・ミケルセンが割と今ほど有名になる前から好きなのですが(えへ)、メディア上の"カッコイイおじさん"への入り口はこの漫画から。
"センパイ"とかじゃなく、"男性"に惹かれ始めたんでしょうね。
ほうれい線とか目の皺とかがね、かっこいいんだよね、わかるわかる....
皺でいうと最近は高橋一生大先生の笑顔にお世話になっております。
美魔女という概念も悪しきものですが、カッコイイおじさんになる、カッコよく老いるというのも難しく、若い頃美男子すぎて無双しても「老けた」とかいって消費されてしまうのでしょうね...老いがかっこいいってなんだよ、ほっとけよ。
だからレイフ・ファインズとかコリン・ファースあたりは例外どころか、細胞との対話とかに長けてるんじゃないですか。
もうわけわからないけど。
さっきから内容についてあんまり触れてなくてすみません。
漫画そのものはイタリアのおじさまたちによる、まあリストランテがパラディソになってる本です。
というわけで私の大学の第二外国語はもちろん、イタリア語です。 

『ヤング!ヤング!Fruits』地獄のミサワ 

ヤング!ヤング!Fruits (愛蔵版コミックス)

高校の同級生でガラケーにこの人の画像が入っていない人なんていない....!
なぜなら私が送りつけたから...!
キモいもの見たさという感情は、怖いもの見たさより中毒性がある、という良い実例。

jigokuno.com

今の中毒っぷりからは信じられないですが、高校のときガラケーでインターネットが使えなくてですね、画像を集める際には友達のスマホをぶん取るか、家のデスクトップからメールで自分のガラケーに送る、それも百枚単位で、という信じられない壁を乗り越えて画像蒐集に励んでおりました。

アラサーちゃん峰なゆか

f:id:heavyd:20191007004204p:plain

https://www.kadokawa.co.jp/product/301311001402/
 アラサーちゃんは、アラサーの人たちの「あるある」に留まらず、より若い世代のマニュアルとして機能している気がします。
「一見フィクションに見えるオトナの世界」と地続きの自分の今の立ち位置を確認するというか。
「高校生でこんなの読んで!」とか言われそうですが、作品内にも登場人物の学生時代の描写が出てきたりして、「あ、もうオトナのときのカースト生存戦略はここから始まっているのか」と。
何よりも登場人物の名前の付け方が秀逸で、なゆゆご本人が指摘されていたと思うんですが、個人ではなく「アラサー」「非モテ」「オラオラ」とか、がそのまま名前になっているので、当てはまるキャラに共感しやすい反面、あくまでこれフィクションは...と距離を取ることもできる、絶妙な漫画全体の設定が◎♡。
 

大学

大人買いとかし始める頃ですね、相変わらず購入先はブックオフですけども。

ウツボラ中村明日美子 

f:id:heavyd:20191007004343p:plain

http://www.ohtabooks.com/publish/2010/06/10155715.html

出会いとしては高校の時点にあったけど、高田馬場ブックオフで立ち読みしてから買ったので大学に入るかな。元BL作家のガッツリBL真っ盛りではなく、一般大衆向けに書いてくださっている作品が好きです。

最近大掃除してもう一回読み返したけどわからない部分が多すぎて、買った当時「わからないからわかったことになっていた」のか、「わかることが多くなってきてわからない部分が増えた」のか、魅力は尽きません。

『ぼくの小規模な生活』福光しげゆき

f:id:heavyd:20191007004436p:plain

http://kc.kodansha.co.jp/product?item=0000015208

これは圧倒的にヴィレヴァンにて。一時期お店でフェアみたいなのもやっていて、ショッピングバッグに例の妻のイラストが載っていたり。

やたら細かいコマ割りと「.....」の多い文体、本人から直接聞かされたら主人公(作者)がよく言う「ハァ...」以外の感想が出てこない、日常を突き詰めた内容は漫画でしか描けない部分があるのかなと。書いてて思ったけど、フィクションでもノンフィクションでも日常系全然好きじゃないので、この作品を日常系とカテゴライズするかは別として、日常系は全然好きじゃないです。大事なことなので二回言いました。

シーシャを吸いながら読むなどしました。

ただの大学生じゃ〜ん笑

『ディザインズ』五十嵐大介

f:id:heavyd:20191007004617p:plain

http://kc.kodansha.co.jp/product?item=0000047482

『リトル・フォレスト』はやたらヴィレヴァンで目に入っていて、絵が漫画なのに水彩画すぎて全然読む気になれなかった中高を経てからの、ケモナー垂涎の作品、ありがとうございます!!!!!

これの前哨戦にあたる『ウムヴェルト』(環世界)という作品と概念も好きで、以前も紹介したかも〜。モナーポイントとしては、アンとベイブ(上の表紙の画像右)が猫耳とかではなく、体がヒョウで頭がヒトという、人面ヒョウという感じで描かれているのが猫耳トレンドになびいてなくて、あくまで機能性重視で好き...。

アメコミの超能力系戦隊モノのなかではX-MEN派が好きになりそう。

一般人と能力者の距離が近めというかね。

『テケテケ・ランデブー』ジョージ朝倉

[まとめ買い] テケテケ★ランデブー

『平凡ポンチ』『ハートを打ちのめせ』『溺れるナイフ』の主人公たちと中高で一緒に成長し、大学がテーマでもこのジョージ朝倉節って通用するんだ、という。

『夫婦サファリ』は結婚!?みたいなね。

全部それぞれ好きだけど、個人的な代表作としては、たよ子嬢とセンセイは堂々一位なんだよな〜〜〜これも少し異なるケモナーというか(肉食系女子も守備範囲です)、人間関係ガラパゴス諸島で、都会の弱肉強食の概念からぶっ放されているキャラたちにびっくらこかされます。

イノサン坂本眞一

f:id:heavyd:20191007005444p:plain

http://grandjump.shueisha.co.jp/manga/innocent-rouge.html

マ、マリー様抱いて〜!

「絵とストーリー展開が上手な漫画」と「歴史系漫画」の両ジャンルの遥か高みを突き抜けてしまったので審査基準を作り直さないと、とお偉方が躍起になっているのが目に見えますか...私には見えます...

Rouge編では特に現代世界へ繋がるところが多く、最高に好きなのはアントワネットがママ友会やツイッターをやっているところ。

本当の時代考証ってこういうことだよなと。

司馬遼太郎!!!!

5時に夢中!の中瀬親方のエンタメ道場で紹介されていたのがきっかけ!

『大奥』よしながふみ

f:id:heavyd:20191007005825p:plain

https://www.hakusensha.co.jp/women/comic_list.html

将軍の数が多すぎて新巻が出るたびに毎回一巻から読み直すことにしているのですが、 全然毎回楽しい。

全体の流れとしては〇〇代目が誰々で、とかで追えるようになっているのだろうけれども、作品全体を構成するのは単体で十分キャラが強い将軍たちだけでなく、キャラが濃かろうが薄かろうが当時必死に生きた大奥の内外の人たちというか、全員人間だな〜、となる。

人間を人間扱いしている漫画ってそんなにない、特に日常系の対極にあるジャンルでは。

今のところ一番好きなのは江島生島事件のところらへん。

悔しくて泣きました。

あとはやっぱり言葉遣いだったり、絶妙な大奥用語といいますか、そういうのはもうたまらんですね...

スマホ黎明期の御三家(ツイッター→LINEスタンプ)

今やツイッターのみならずあらゆる媒体に登場するこの方達はやはり言及しておかねばなるまい〜。

もはや「漫画家」と「ツイッター発の漫画家」はジャンルを分かつべきだと思っているのですが、どうなんだろ。

ツイッターで知ってLINEスタンプを買ったという、見る専から使う側に移行できるのも、作家とファンとの関係が多様化していていいな〜と思います。

しりもと

 人生ってこういうことなんだよな〜

error403

f:id:heavyd:20191006064621g:plain

https://www.notion.so/error403-info-aa18036635064b66acca85fe99d7837d?p=b4b5603675fc4f9d8641c6fffcbb03dd

既読がドンブラコと流れているの、千利休的なセンスを感じます。(?)

ニャロメロン 
https://meroncholinista.tumblr.com/post/135381259618/%EF%BC%94%E3%82%B3%E3%83%9E-no754

meroncholinista.tumblr.com

ニャロメロン先生のこのシリーズは2ちゃんねるでも議論が度々交わされており、漫画界でもその表現技法により革命を起こし続けているともっぱらの噂です。これは一例ですが、後ろを向いているキャラの顔のパーツだけが抜き出されていたり(無表情っちゃ無表情で描かなくてもいいはずなのに)、四コマのタイトルが最初に来るのではなく最後にオチを言語化しているのも独特...今作品を見返して崖から落ちる表現が割と多用されていて、そんなことってある!?と思うけどあるんですね。

なう

描写としての血に飢えているがただ好奇心に任せて人が死ぬのは見たくなくて、だからと言って死に方や生き方についておおっぴらに説教もされたくない、という現在の私のわがままを大幅にクリアしている作品たちです...

ゴールデンカムイ野田サトル

f:id:heavyd:20191007010121p:plain

https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-891368-1

キロちゃんとラッコ鍋食べたいッ!

いや〜〜〜〜もうこれはこれは。

七巻のヒグマ退治と八巻の江渡貝くん、十八巻のソフィアの過去が好きかな〜。

こちらは原作を知る前にネットで流れていた同人誌から入って読み始めました、という腐ルートですけれども、ファンの方々の推しへの熱意もなんだか一味違うというか、それで目に入ったのかも。

人がすごく死ぬし殺しあう漫画なんですけれど、登場人物で生きるために生きている人がいないところが好きだな〜!

ザ・日常系の対極ですね。

ドロヘドロ』 林田球

f:id:heavyd:20191007010613p:plain

https://comics.shogakukan.co.jp/book?isbn=9784091886057

爬虫類は条件抜きで好きなので、カイマンの皮膚感の時点で最高なんですけど、ニカイドウと鳥太が好きだな、それが....!ドロヘドロ

画風としては線は多いけれど無駄な線なんて一本もなくて、エッチングっぽいかすり線な感じもグッド...ファッションも独特で、スニーカーが堂々とナイキだったり、作業着とプロテクターの絶妙なバランス加減もすごく好き。

コスプレしたくなる気持ちがわかりかけます。

ティム・バートン『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』のナイトメア版ですね。

Cocoon今日マチ子

f:id:heavyd:20191007010715p:plain

https://www.akitashoten.co.jp/comics/4253104908

小説家でいうと桐野夏生とか桜庭一樹な感じで、前者だと『リアルワールド』、後者だと『じごくゆきっ』とかを読んでいる者です(自己紹介)。

もっとも流血沙汰から遠いとされている社会要員の女子高生たちを生々しく描くというか、要するに、JKだタピオカだと持て囃されつつもされている思春期成長期真っ盛りの女子だって生死や個人単位での戦争と常に隣り合わせなんだぜ、なめてもらっちゃ困る...とか言いつつすみません、まだ読んでなくてこれ、でも沖縄のひめゆり隊のことをこちらの先生が描くってことはそういうことだと思っています。 

おまけ

時間の都合上と、まだリアルタイムで追いかけているものとして整理がついていないので、以下ここ1~2年以内でインターネット経由で出会った作品たちを紹介するに留めさせていただきます。

トーチweb

『アマゾネス・キス』意志強ナツ子

f:id:heavyd:20191007011139p:plain

http://to-ti.in/product/ishitsuyo
『太郎は水になりたかった』大橋裕之

f:id:heavyd:20191007011239p:plain

http://to-ti.in/product/taro
『ラ・マン』 高浜寛

f:id:heavyd:20191007011403p:plain

http://to-ti.in/product/lamant

Twitter

アイスバーン』西村ツチカ

f:id:heavyd:20191007011620p:plain

https://comics.shogakukan.co.jp/book?isbn=9784091897640
『夢中さ、君に』和山ヤマ

『泥の女通信』にくまんこ

f:id:heavyd:20191007012144p:plain

https://mangacomplex.com/categories/54
『ギャルと恐竜』トミムラコタ

『裸一貫!つづ井さん』

f:id:heavyd:20191007012422p:plain

https://crea.bunshun.jp/articles/-/22579

note.mu

『夏がとまらない』藤岡拓太郎

f:id:heavyd:20191007012605p:plain

https://www.takutaro.com/natsugatomaranai/
ネルノダイスキ

f:id:heavyd:20191007012925p:plain

https://nerunodaisuki.tumblr.com/post/103024093877/1123-comitia110

オモコロ

omocoro.jp

omocoro.jp

omocoro.jp

 

omocoro.jp

omocoro.jp

omocoro.jp

omocoro.jp

omocoro.jp

omocoro.jp

note.mu

おわりに

タイトルは私の大好きなオモコロのダ・ヴィンチ恐山さんの殿堂入り記事、『下校時刻の哲学ゾンビ』から取らせていただきました。↓
やはり学校がヴィレヴァンにおける記憶に関わっているのと、高田馬場でのゾンビ化現象がぴったりだなと...
あとは見かけの都合上、漫画家の方々に見出しで敬称略を行ってしまいましたが、本当は先生って全部付け足したい、という気持ちを記させていただきます。
 
最後めちゃくちゃ真面目なトーンになってキモがられるの承知でめちゃくちゃクサいことを言いますと、 私がこの記事でしたかったことっておそらく、後天的・環境的要因における自分の出自を明らかにしておきたいのだなと。
自分を論文に例え、「私はこうなんです」というオリジナルでユニークだとされている自分の存在(論文で言うと主張)を、参考文献を交えつつ書く感じ。
何はともあれ、最後まで読んでいただいた方ありがとうございます!
それでは、また!