キヨカのブログ

半永久的夏期休暇自由研究

秋に参加したWebinarのメモ Hagia Sophia/Mieko Kawakami/Anti-racism

2020年は"remote"という単語に辞書上の定義以外の意味やconnotationが付加されていった一年であったように思う。 そろそろ今年も終わりを迎えつつあるが、暦上の区切りが果たしてこの途方もなさからどれほど私たちの気をそらしてくれるのかはさておき、私は…

「ガイジンとして、ガイジンたちと」須賀敦子を読む

" data-en-clipboard="true">おどろくことに、わたしはまだイタリアに行ったことがない。 " data-en-clipboard="true"> 考古学をやっているとローマだポンペイだブルータスお前もか、オレもだよ、というかんじでまわりの人はだいたい行ったことがあるし、考…

「今日のみそ汁はインストゥルメンタルよ」Parcelsとかいう西京(最強)バンド

インストゥルメンタル。 音楽を聴いたことのある人で、この言葉に疑問を持たなかった人などいないだろう。 シングルCDのinstrumental ver.を勝手に二曲めと勘違いしラッキー!と思って蓋を開けてみたら肝心の歌詞が入っていないじゃないか!?と、曲名をろく…

「乳(と塩)の流れる地」

牛乳とその仲間たちが好きだ。 私がもし旧約聖書の添削者だったら 候補「乳と蜜の流れる地」私「乳だけで十分では?」 と蜜の部分を削ってしまったかもしれない。 今でも一人で一週間に2パックは牛乳を消費するし、食卓では食事のジャンルを問わず飲み物は牛…

2月は贈与論の月

...というのもバレンタインデーと私の誕生日がある月だからなんです。 日本だとクリスマス、お正月に引き続いてバレンタインとなると三ヶ月連続で出費がかさんで仕方ないですね。 それには他ならぬプレゼントの交換/贈与が各イベントの大部分を占めているか…

RATatuilleあるいはラタトゥイヤー(ねずみ年ですね)

海外一人暮らしも二年目に突入し、全然そんなつもりはなかったんですけど、やるしかない。 生きていくには食べることが必要不可欠で、その食べるといってもただの栄養吸収じゃイヤで、だからといって学生じゃ毎日外食に行くというわけにもいかない。 じゃあ…

ノス滾(たぎ)ルジー、あるいは80年代時代設定クライムドラマ(ACS/AHS/WWK)

まぁ、まず私はバリバリの平成生まれのピチピチの20代ということなので、生まれてもいなかった80年代を懐かしむというのはちゃんちゃらおかしい話なのですが、今風の言葉を使うとしたらエモくないっすか?80年代。 エモいという単語は敢えて使ってはみました…

下校時刻のヴィレヴァンゾンビ

はじめに 小学校 『マンイーター』高橋葉介 『ハトの嫁さん』ハグキ 『蟲師』漆原友紀 『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』西義之 中学校 『MW(ムウ)』手塚治虫 『ライアー・ゲーム』甲斐谷忍 『バガボンド』井上雄彦 『砂時計』芦原妃名子 高校 『さ…

セルフオリエンタル化のすヽめ(拝啓、サイード先生)

最近悲しくなるニュースをよく目にする。 できるだけそういったニュースを取り入れまい、面白い話やくだらない話しか取り入れまい、としている私の耳にでさえも届くのだから相当なのだろう。 一方で、盛んに議論が交わされていてほしい、とも思う。 と書くと…

先ヅボトルヨリ始メヨ:クラフトジン緊急特集、Brutalist Architectureなど

ジンに関しては「百聞は一見に如かず」ではなく、「目は口ほどに物を言う」という感性を大事にしませんか、というのが今回のブログのテーマです。 つまり「飲んでみないとわからない」とジンの可能性を飲む体験のみに求めるのではなく、「まず視覚情報で楽し…

"Little Blue and Little Yellow" 2.0

こんにちは、もう六月ですね。 こちらもオランダなりに猛暑といいますか、日本の夏真っ盛りよりかははるかに過ごしやすいものの、30度を越える夏がやってきました。 日焼けサイコ〜! あともう一つ、六月といえばPride Monthでした。 街中で虹色が目に入るよ…

それからはタコのことばかり考えて暮らした

連想ゲーム まえがきにかえて 『タコの心身問題』/『動物の知性が分かるほど人間は賢いのか』/『ウムヴェルト』 『動物奇譚集』/下水道のタコ/タコのオートファジー 萩原朔太郎「死なない蛸」と「その手は菓子である」/『性食考』 うまくまとまらないの…

女子大生おすすめ!Dutch brand 特集

すっかり真夏日が続いております。 長く寒い冬は鬱屈としていて辛いですが、打って変わって快晴が続き22時まで日が沈まないとなると、それはそれでどうすればいいのかわからない。 もう二年目なので流石に慣れたいところですが、友達とよく言い合うのが、 晴…

エピソード記憶としての食べもの

つまらないデートで奢ってもらった100グラム五千円のシャトーブリアンよりも、親友と八時間くらい飲んだあとに食べる始発前の一蘭のラーメンのほうが美味しい。 そうなんです。 そういうことなんですよ!!! 私は自他共に認めるグルメな人間だと思っている…

早春小噺寄せ集め

ん〜春は眠い! 最近天気が良くって眠気しかないので、我ながら良いなと思ったアイディアをなんとなく置いておいて今月は良しとします。 私の好きなオモコロやデイリーポータルZの記事ネタになりそうなタイトルを考えて実行に移さない感じ。 あとツイートに…

行為の棚ぼた化(撞着語法)

あけましておめでとうございます! 2019年。 どうも響きが好きではないのですが、始まってしまいましたね。 この時期になるともう抱負を書かなくてはいけないか、年末に振り返りつつ新年に間に合うように発表するそうじゃないですか。 私も毎度遅れながらも…

芸術の秋だよ!①〜完全自己満足応援鑑賞〜

暇なときにInstagram、Pinterest、Tumblrなどで、とくにアートを閲覧するのが好きです。 Vimeoのアニメとかも楽しい。 (もしおすすめのサービスやアカウントがあったら教えてください) 今のご時世はお金がなくて引きこもってても、画面をスクロールして保…

書店定点観測:東京⇆アムステルダム

今年の北半球はどうかしており、普段は冷夏のオランダさえも40度に達した、と思いきや八月下旬の現在はすっかり秋模様です。 夏は脳みそが沸騰して読めなかった本にもじっくり取り組みたい季節になってきました。 以前書いたかも知れませんが、私は本そのも…

長編が読めない

人間はラクなものに流れる方向にある。 上半期の授業を終えた最近の私が非常にいい例であるが、高い生活費・学費を払ってもらっているにも関わらず、こんな生活を送っているとは口が裂けても言えないほどだ。 さて、私は長編が読めない。 映像でも連続ドラマ…

土曜日のシミット

あなたは世界を変えたことがありますか? 私はあります。 最近、「同じものでも見方を変えると違う風に見える」という考え方を耳にするが、そういうのではなくて、本当に私はある。 今私が住むオランダの街には水曜と土曜に市場が開かれる。 野菜や果物、チ…

ドラッグクイーンは自らをなんと呼ぶか?

完全ににわかなんですけど、現在RuPaul's Drag Raceにはまっています。 簡単にいうと伝説のドラッグクイーン、ルポール↑がオーディション形式で自らの後釜を探す番組のことです。 「レース」となっているのは、最初10人前後で始まり、毎回誰かが脱落して最後…

ジャケ買いと"翻訳"

こんにちは。 "本とは何か"という終わりなき議論の答えの一つに「商品」という答えがあると思います。 個人的には「家具」「風景」という答えも推して行きたいと思っているのだけれど、それはまた今度。 「本は"普通の"商品とは違う」という声もよく聞かない…

限界を超えてはいけない

というか、超えられないし越えようとするもんではないんじゃないかと思います。 まず、限界を越えようよ〜!、 みたいな体育会系思考には、私はほとほとついていけなくなってきた。 じゃあそれ超えちゃったらどうすんの... そもそも、超えられた時点で果たし…

Sh*t worthyなことしようぜ

(to) give a shit という言葉はみなさん知っていますね。 "Don't give a shit!"という文のほうがよく聞くかな。こちらは日本語に訳すと「んなつまんねぇこといちいち気にすんな!」に近い意味だと私は考えております。 shitはfuckに代替可能。"I don't give a…

去年は猫年、そして今年も

今回は2017年の間、私の生活の癒しとなった様々な媒体の猫をご紹介します。 私はにわか猫好きというか、 トルコに行ってから猫を好きになった新参者ですので、 お手柔らかにお願いします。 ①KEDI(映画)(邦題;「猫が教えてくれたこと」) youtu.be 私とし…

中間でいいじゃない

いやはや、10月も終わりそうですね。 今回ご紹介するのはこの三冊! 中動態の世界 意志と責任の考古学 (シリーズ ケアをひらく) 作者: 國分功一郎 出版社/メーカー: 医学書院 発売日: 2017/03/27 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (15件) を見る 言語…

ヨガの言語

そろそろ大学生活も終わりを迎えているわけですが、振り返ってみればヨガと飲酒だけは欠かさなかったかな、と思います。飲酒の話はまた今度にするとして、最近クラスにも本格的に通い始めたことですし今回ヨガについて書くことにします。書評がこのブログ全…

結婚したくない、働きたくない(けど呑み食いしたい)

最近アナーキズムにはまっている。 というのも栗原康著の『はたらかないで、たらふく食べたい-「生の負債」からの解放宣言-』を一気に読み、 更に同著の『村に火をつけ、白痴になれ-伊藤野枝伝-』もつられて思わず読んでしまったからだ。 はたらかないで…